N E W S
動的輪郭法
動的輪郭法(Active contour)というアルゴリズムは便利でなかなかおもしろいのであるが、応用範囲があまりないからかマイナーな分節化アルゴリズムの一つである。さっきまったく別のことで検索していたら、たまたまこんなYahoo知恵袋の質問と解答に行き当たった。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12318043457
で、回答者が「Oval ROIを使って手で測れ」といっている。まあそうなのだが、質問者の意図はもっと自動的に(つまり客観的に)やりたいということなので、あまりよい回答ではないなあ、と思った(私自身はYahooに回答したことがないので僭越ではあるのだが)。FijiにはPlugins>Segmentation>LevelSetという昔からあるプラグインが同梱されていて、この機能の一部が動的輪郭法である。これは、仮想上の輪ゴムを伸ばしたり縮めたりしながら形にフィットさせる、という手法で、輪ゴムの張力を上げ下げすることでどのような輪郭を分節化したいか、調整することができる。ふにゃふにゃな形にピッタリフィットするようにするには張力を上げればよいし、ふにゃふにゃなかたちにフィットしないでもなめらかな輪郭を得たいならば輪ゴムの張力を上げる。単純にはこのようなことで、実際にはなにをもって形とするかパラメータ設定がややこしくなったりする(はっきりした形ならラクだが、境界が曖昧だと工夫するひつようがある)。
上のCの形状の内径であれば、境界がくっきりしているのでまさに動的輪郭法の出どころである。円をフットさせる、ということだ。ちょっとやってみたらすぐにできた。
時間がないのに思わずやってみてしまった…
あと実はハフ変換という手法もあって、これでも円の検出が一瞬でできるので、たぶん内径と外径を同時にはかることができるだろう。これは、プラグインを入れないといけないので、面倒なので試していない。
むむ。単に数理形態演算でやればいいんじゃねーか。というわけで、Plugins>MorphoLibJ>Filtering>Morphological Filtersで、閉鎖処理をしてみたら、ばっちり可能であった。
話を元に戻すと、LevelSetのプラグインはErwinという人が実装したプラグインで、2008年頃、EMBLでやったハッカソンにきてコードの最後の部分を書いていた。なにか、なつかしい感じである。チュートリアルとかないし、fast marching(wand toolの精密版)とかも一緒になっていてわかりにくいUIになってしまっている。あと、Previewができるようにするといいわなー、とか思うけど、私は手を出す暇がないな。これこそ、vibe codingで効率的にアップグレードできる感じのプロジェクトである。
GloBIAS2025、登録締切間近
来月10月の最後の週に神戸の理研で開催されるGloBIAS2025は、さまざまなイベントが組み合わさった生物画像解析を巡るマルチプレックスなカンファレンスです。
前半4日間に並行して開催される3つのイベント、トレーニングスクールは40名強の参加者、2種類のハッカソン参加登録者は総勢40名程度、タガソンは10名ほどの登録者で、これらの参加者はほぼ全員、後半3日間のシンポジウムに揃って参加します。目下、シンポジウムだけの参加者を合わせると総参加者数は160名ほどで、まさに世界各国からの参加が見込まれています。日本、欧米、オーストラリアが中心ですが、韓国、台湾、中国からも多くが参加し、さらに遠方の南米やアフリカからも合わせて10人近くが参加する予定です。特に、アフリカなど途上国からの参加者はなんと、JICAの支援を得ることができました。前半のイベントの参加登録はすでに締め切っているのですが、シンポジウムのみの参加は、締切が数日後の9/15なので、ぜひご登録、ないし、まわりに生物画像解析に興味のあるかたがいたら、知らせてみてください。
登録は以下のカンファレンスのサイトにリンクがあるGoogle Formから行えます。
https://bit.ly/GloBIAS2025-Kobe
なお、シンポジウムに登録すると、前半4日間のハッカソンやタガソンにも参加できるので、これらのイベントに興味のある方もぜひ、詳しい情報をカンファレンスのサイトで読んでみてください。ハッカソンは1つ目はBIAFLOWS、BIOMERO、SSBDといったオンラインの生物画像解析リソースのインタオペラビリティや協働性を高める開発が中心(雑駁には画像クラウド解析と画像データベース、が鍵概念になるでしょう)、2つ目はnapariのコアモジュールの開発です。後者は開発リードのJuan Nunez-Iglesiasさん(有名人)がオーガナイズしています。いずれもすごい人達が来るのだ… タガソンは、有り余るほどある生物画像解析のツールやワークフローを整理、テストしてデータベース化する、という作業セッションです。というと地味に聞こえるかもしれませんが、ディスカッションや、講演などもあるので(たとえばMorpholibJの開発者である数理形態学画像処理の猛者、David Leglandさんがなんと1時間喋ってくれます)、開発者ではなく解析者として作業を行いたい、情報交換をしたい、という方にはおすすめです。
今年の春に出版した羊土社の「型で学ぶ生物画像解析」をご存知の方は、編著者の塚田さん(慶応)、大浪さん(理研)、京田さん(理研)、遠里さん(立命館)、河合さん(東大)、菅原さん(理研)、平塚さん(大阪国際がんセンター)がシンポジウムに参加するので、直接御本人たちと話せます。
call4help、おもしろいぞ
さて、引き続き宣伝です。今年の5月にカンファレンスで行われるいろいろな形式の情報交換の企画を概観したのですが(https://bit.ly/GloBIAS2025-Kobe-BlogpostJP)、ここでは特にシンポジウムのセッション、call4helpの宣伝をします。“call4help”とは、「助けを求める!」の意味で、生物画像解析をしたいのだが、どうやってやったらいいのかわからない、あるいは、一応ある程度までうまくいったのだが、ここを改善したい、もっといい方法はないか、といった質問に雁首揃えた専門家たちがこうしたらよいのではないか、とアドバイスをするセッションです。2016年にリスボンで開催されたNEUBIASの年会から始まった企画で、スイス工科大学のSimon Norrelykkeさん(今はハーバードメディカル・スクール)とSzymon Stomaさんが企画の発案者です。せっかくこれだけ生物画像解析の専門家が揃っているのだから、ライブで問題解決をするセッションがあってもよいのではないか、ということで始まりました。call4helpは、Szymonが運営している専用のウェブサイトがあるので、そちらにこれまでの「質問」のスライドなどを観ることができます。簡単な質問も困難な質問も、いろいろごった煮です。
https://call4help.let-your-data-speak.com/
具体的には質問者が登壇し、何枚かのスライドで課題をみなの前で説明します。この説明は数分から長くても10分、それ眺めた100人から200人の観客がてんでに挙手し、「こうしたらよいのではないか」というアドバイスを行います。生物画像解析の専門家といっても、その得意とする分野はさまざまなので、たてつづけにもたらされるアドバイスもさまざまな角度からのものになります。「生物画像解析の専門家」の前歴は多用です。情報系の出身の人の中にもアルゴリズム開発の人や、システム開発の人がいる。生物系の人でも、分子生物学、生物情報学生物物理学など、得意とする背景は多用です。ほかにも顕微鏡の技術者、信号処理の工学者(中でもガチの画像処理)、応用数学者も無視できない数が「生物画像解析者」になっています。NEUBIASや、来月行われる神戸でのGloBIASの初のフルの年会には、出こうした多用な背景を持つ人たちに加え、トレーニングスクールにやってくる生物学ど真ん中の研究者たちもいます。こうしたことから、まさに多用なアドバイスが登場することになります。面白いのは、こうしたいろいろな角度からのアドバイスは、質問者だけでなく、観客(兼、回答者)のみなも「おお、そんな考え方、やりかたがあったのか」と、学んだり刺激を受けることが多く、それゆえ、議論が観客同士に移動したりして大変盛り上がったりします。以上のような理由で、call4helpで質問をすることを主な目的に参加されるのもよいのではないでしょうか(眺めるだけでもおもしろいと思います)。大いに歓迎します。シンポジウム参加登録後に、上のcall4helpのウェブページにあるサブミッションフォームで、質問を受け付けています。
今回は、スイスのベルン大学のAna Stojiljkovicさんと慶応大学の塚田祐基さんがセッションのオーガナイズをします。call4helpの創始者、Szymon Stomaはシニアアドバイザーとして同席します。
GloBIAS2025のプログラム
プログラムはほぼ完成しており、シンポジウムの登壇者とトークのタイトルは以下で公開しています。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1O_LUEHDqvo_F_qbUlBVTquKPp_L3aT0Dy-gq_OlX9Bs/edit?gid=0#gid=0
というわけで、登録締め切りまであとわずか、ふるってご参加ください。
最後になりますが、この開催の発端から準備まで、理研の大浪研には全面的に関わってもらっています。どうもありがとうございます…
GloBIAS Launched!
Global Bioimage Analysts' Society (GloBIAS) officially launched on October 24th, 2024, aiming to promote a sustainable worldwide community of bioimage analysts. We registered the society in Austria. We compared the simplicity of the registration of a society in various countries, and the final choice was Austria. It was also that Gabriel Krens, the head of the imaging facility at the Institute of Science and Technology Austria (ISTA), kindly agreed to host the location of GloBIAS in his institute. We thank Gabriel tremendously for this generous support.
GloBIAS aims to support bioimage analysis experts, including analysts, software developers, and users of bioimage analysis. When we say “bioimage analysis”, it means “quantitative measurement of the parameters of biological systems using image data”. Nowadays, image data is more complex than what we generally perceive as “images” in our daily life. It is a form of data that captures the multidimensional state of biological systems. This means that the analysis of such data is beyond “image analysis” in the traditional sense - it is more about how we untangle that multidimensionality and come to some simpler view, looking at and understanding how biological systems are in operation. The future of this community is filled with many findings we have yet to know, and with excitement to explore the jungle of biological systems.
GloBIAS神戸 2025
欧州で2016年以来盛り上がってきた生物画像解析のネットーワークがNEUBIASですが、その後、パンデミックを挟んで「世界に広げよう」ということになり、2024年秋にGloBIAS(Global Bioimage Analysts' Society)が正式に発足しました。NEUBIASは純粋なネットワークで組織としての公的な登録はありませんでした。これでは成長と拡大には限界がある、ということになり学会を作るにいたったのです。さて、そのキックオフの最初の小さなミーティングは2024年秋にスウェーデンで行ったのですが、今年は神戸で数百人程度の大きなミーティングを行う予定です。このミーティングはNEUBIASの会議の形式を踏襲して、いろいろなスタイルのイベントが組み合わさったマルチプレックスなミーティングになっています。
https://bit.ly/GloBIAS2025-Kobe
これらのイベントについて少し解説します。
2025年10月26日から31日までの会議は前半と後半に別れています。場所は神戸のポートアイランドにある理研BDR。前半(26-29)は講習会、ハッカソン、タガソンが並行して開催されます。後半(29-31)はトーク中心のシンポジウムです。講習会に登録すると、後半のシンポジウムにも自動的に登録されます。講習会の人数は限定的なので、通常は後半のシンポジウムだけの登録になります。この場合、前半のハッカソンやタガソンに任意で参加することが可能です(強制ではありません)。
講習会 (Training School):Python-napariを使った講習会になります。napariの開発チームがハッカソンをしている隣で(下記参照)、そのnapariを中心に使った講習会が行われるので、開発の中心人物が直接解説を講習会で行うことも含まれる予定です。
ハッカソン (Hackathon):2つのグループがあります。これらへの参加にはそれなりのプログラミングの知識が必要です。 1) BIAFLOWとOmero-SSBDを繋げるうロジェクト 2) napariの開発プロジェクト(napariのコアチームが集結)
タガソン (Taggathon):数年ぶりの開催になるので、その間に登場したさまざまな生物画像解析のツールやライブラリをBIII(https://biii.eu/)整理することが活動の中心になります。タガソンにプログラミングの知識は必要ありませんが、生物画像解析に関してある程度知識があることが求められます。
ハッカソンとタガソンは自由に往来可能ですが、講習会の参加者は全日講習会なので、ハッカソンやタガソンには時間的に参加できません。
シンポジウム (Symposium):通常の学会のように招待のトークと、投稿アブストラクトの一部のトーク、及びポスターが中心ですが、Open Source Software Lounge (OSSL)という、生物画像解析のさまざまなオープンソースのツールの開発者がラップトップを持ち込んで参加者と自由に交流する企画や、参加者が課題を持ち込んでその場で他の参加者(猛者多数)たちに解決のアドバイスを貰うcall4helpといったほかでは見られない企画も同時開催します。また、パネルディスカッション形式での壇上での座談会も行います。
招待講演の対象は、ディープラーニングと画像解析、というテーマを中心に招待を行う感じになりそうです(最終的なリストはまだ決定していません)。ディープラーニングはもちろん、分節化の超有力な手法としてすでに画像解析で普通に使われているのですが、これからはさらに一歩進んで、システムの分析に使われることが普通になってゆくでしょう。「生物画像解析」なので画像ではあるのですが、人間が一瞥してなにかを知る、というような形式ではなく、解析をしてはじめてなにが起きているのかがわかる、という複雑な多次元データです。この解析には機械学習を援用してその複雑さを紐解く、という方法が最先端の方法であり、まだはじまったばかりのその新しい世界を垣間見よう、という内容になりそうです。
さて、というわけで、NEUBIASで恒例化したこうしたマルチプレックスな会議をヨーロッパの外でやるのは初の試みなのですが、理研の大浪研の方々を中心とするチームが大活躍でとても頑張ってくれていて開催準備は順調にすすんでおり、登録者の数は今のところ順調に伸びています。とはいえ、目下、日本国外からの登録が殆どで、日本国内からの登録がとても少なく(まじで少ない。。。)、日本で行う生物画像解析のイベントなのでちと残念に思っています。私も関わっている東アジアの生物画像解析ネットワークEABIAS(eabias.github.io) の発表などもあるので、この機会にメンバーと知り合い、加入することもできます。
登録締切は6/15です。というわけで、この投稿を見た方はぜひとも周囲の生物画像解析に関心の有りそうなかたにお知らせください。 https://bit.ly/GloBIAS2025-Kobe
[6/23 追記] 6/15以降もシンポジウムのみ(ポスターを含める)の参加は引き続き募集中です。この登録にはTaggathonやHackathonへの参加を希望する方も対象なので、希望者は登録の際に参加希望を選択してください。トレーニングスクールへの参加、口頭発表の参加は締め切りました。また、以降は支払いは登録と同時に行う必要があります。
型で実践する生物画像解析 ImageJ・Python・napari
編集と執筆を行った「型で実践する生物画像解析 ImageJ・Python・napari」が2025年3月に羊土社から出版されました。塚田さんとの共同編集はこれで3冊目になります。内容は中級者向けを目指していますが、Pythonに関しては初心者でも内容を習得できるような構成になっています。書店でみかけたらぜひ手に取ってご覧ください。
目次を以下、紹介します。
基礎編
- 序論 ―生物画像解析の枠組みを理解する 【三浦耕太】
- Jythonの基礎知識と書き方 【三浦耕太】
- napariの基礎知識と書き方 【黄 承宇】
- Google Colaboratoryの利用法 ―クラウドPythonプログラミング 【戸田陽介】
実践編
- 核膜に移行するタンパク質の動態の測定 【三浦耕太】
- 電子顕微鏡画像のミトコンドリア分節化と形状のクラスタリング解析 【河合宏紀】
- 腫瘍血管における3次元管状構造ネットワークの分析 【三浦耕太】
- 細胞移動を定量するための粒子追跡(トラッキング) 【塚田祐基】
- 細胞周期の蛍光プローブFucciの時系列データ解析 【平塚 徹】
- 甲殻類モデル生物Parhyale hawaiensisの脚再生過程の細胞動態解析 【菅原 皓】
- イネのデジタルカメラ画像によるバイオマス推定 【戸田陽介】
論文投稿編
- 画像解析の再現性チェックリストとGitHubの活用 【三浦耕太】
- 画像データリポジトリとデータベース ーそのしくみと活用法 【遠里由佳子,京田耕司,大浪修一】
発展編
- Micro-Managerによる顕微鏡制御 【土田マーク彰,塚田祐基】
- イメージングデータの次世代ファイルフォーマット 【京田耕司,大浪修一】
- 生物画像解析の専門家ネットワークとGloBIAS 【三浦耕太】
付録
- 分節化のための機械学習ツールのリスト 【塚田祐基,黄 承宇,平塚 徹,菅原 皓,戸田陽介,河合宏紀,遠里由佳子,京田耕司,三浦耕太】
- 英日対訳表
Bioimage Data Analysis Workflows ‒ Advanced Components and Methods
Since 2022, the third book from the NEUBIAS network has been available, with open access to all chapters. Enjoy!
Contents:
- Introduction (Nataša Sladoje and Kota Miura)
- Batch Processing Methods in ImageJ (Anna Klemm and Kota Miura)
- Python: Data Handling, Analysis and Plotting (Arianne Bercowsky Rama)
- Building a Bioimage Analysis Workflow Using Deep Learning (Estibaliz Gómez-de-Mariscal, Daniel Franco- Barranco, Arrate Muñoz-Barrutia and Ignacio Arganda-Carreras)
- GPU-Accelerating ImageJ Macro Image Processing Workflows Using CLIJ (Daniela Vorkel and Robert Haase)
- How to Do the Deconstruction of Bioimage Analysis Workflows: A Case Study with SurfCut. (Marion Louveaux and Stéphane Verger)
- i.2.i. with the (Fruit) Fly: Quantifying Position Effect Variegation in Drosophila Melanogaster (Bertrand Cinquin, Joyce Y. Kao and Mark L. Siegal)
- A MATLAB Pipeline for Spatiotemporal Quantification of Monolayer Cell Migration (Yishaia Zabary and Assaf Zaritsky)
Silicon AppleとGPU処理
MacBook Air (M1)でCLIJを使ったベンチマークをメモ。速度はCPUに比較して20倍から35倍の処理速度になる。 ベンチマークは開発のレポジトリにあるマクロをそのまま使った。三次元の平均フィルタ処理。自分で畳み込みのカーネルを作った場合には、差はあまりないが、二倍程度、早くなる。
https://github.com/clij/clij2-docs/blob/master/src/main/macro/benchmarking.ijm
CPU mean filter no 1 took 2687 msec CPU mean filter no 2 took 1759 msec CPU mean filter no 3 took 1959 msec CPU mean filter no 4 took 2253 msec CPU mean filter no 5 took 2557 msec CPU mean filter no 6 took 3406 msec CPU mean filter no 7 took 3526 msec CPU mean filter no 8 took 3722 msec CPU mean filter no 9 took 3520 msec CPU mean filter no 10 took 3419 msec Pushing one image to the GPU took 56 msec CLIJ2 GPU mean filter no 1 took 740 msec CLIJ2 GPU mean filter no 2 took 92 msec CLIJ2 GPU mean filter no 3 took 90 msec CLIJ2 GPU mean filter no 4 took 90 msec CLIJ2 GPU mean filter no 5 took 92 msec CLIJ2 GPU mean filter no 6 took 89 msec CLIJ2 GPU mean filter no 7 took 91 msec CLIJ2 GPU mean filter no 8 took 93 msec CLIJ2 GPU mean filter no 9 took 99 msec CLIJ2 GPU mean filter no 10 took 92 msec Preparing the convolution kernel in GPU memory took 43 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 1 took 1500 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 2 took 1471 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 3 took 1620 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 4 took 1551 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 5 took 1546 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 6 took 1588 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 7 took 1475 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 8 took 1489 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 9 took 1446 msec CLIJ2 GPU mean filter using convolution no 10 took 1551 msec CLIJ GPU mean filter no 1 took 1308 msec CLIJ GPU mean filter no 2 took 106 msec CLIJ GPU mean filter no 3 took 99 msec CLIJ GPU mean filter no 4 took 97 msec CLIJ GPU mean filter no 5 took 100 msec CLIJ GPU mean filter no 6 took 96 msec CLIJ GPU mean filter no 7 took 140 msec CLIJ GPU mean filter no 8 took 116 msec CLIJ GPU mean filter no 9 took 96 msec CLIJ GPU mean filter no 10 took 99 msec Pulling one image from the GPU took 2148 msec GPU: Apple M1 Memory in GB: 16 OpenCL version: 1.2
Reproducible image handling and analysis
We often hear retraction of papers with fake image data like gel images with hand-drawn bands and cleanups, but in addition to such elementary-level mistakes, there are image analyses used in papers that are scientifically questionable. With Simon, we tried to shed light on this overlooked problem and propose a solution.
ffmpegのインストールと動画の変換
Fijiで作成した動画(avi形式)はそのままマックのkeynoteに貼り付けて再生したり、QuickTimeでの再生ができない。画素形式を変換する必要があるのだが、そのための私の使っているかんたんな方法は、ffmpegというコマンドラインツールを使った変換である。以下、コマンドラインの使い方の初歩を含め、これを解説する。
なお、公開の都合上、 Gistに同じ文章を掲載した。|
—
まずhomebrewをインストールする。以下参照。
- Homebrewのインストール - Qiita
- https://qiita.com/zaburo/items/29fe23c1ceb6056109fd
次にhomebrewを使ったffmpegのインストール
画像ファイルからMacのQuickTimeで開けるmp4ファイルを作る - Qiita
https://qiita.com/yohm/items/f84e848b6333aaa897e7
さて、インストールに、brew install ffmpegというコマンドを上で使いましたが、これ以外に知っていたほうがよいコマンドをまずいくつか紹介するので、試してみてください。
open .
半角のあとのピリオドが重要です。これを実行すると、目下の処理対象となっているディレクトリー(フォルダー)が表示されます。
このコマンドだと、ウィンドウでどこにいるのかがわかるわけですが、ウィンドウを表示させずに現在どこのディレクトリーにいるのか、ということを知るには
pwd
を使います。実行すると、/ で区切られた、ディレクトリーの場所(ファイルシステムはツリー状。その場所)がわかる。いわば住所。
% pwd
/Users/miura
(上の%は私が打ち込んだものではなく、ターミナルでコマンドの行頭にある目印です。)pwdでターミナルに出力されるこの”住所”を、”パス”といいます。英語だとpath。ディレクトリーやファイルはそれぞれ、固有のパスを持っていることになります。目下のディレクトリーの中にあるファイルを表示するには
ls
(Lの小文字にSの小文字)をやってみてください。
open .を使ってファインダで開いたときに見えるファイルの名前が出力されているはずです。以上、ファイルのパスとはなにか、ということをまず解説するためにコマンドを紹介しました。
次に、現在処理対象となっているディレクトリーからの移動です。ターミナルを開いてそのままの状態の場合、処理対象は”ホームディレクトリ”といい、コマンドラインでデフォルトの場所(パス)になります。pwdで表示される場所です。私の場合は、
% pwd
/Users/miura
lsを行うと、だーっといろいろなファイルやフォルダがリストされるのですが、その中で例えばDownloadsというフォルダがあります。そのフォルダの中に移動してみましょう。
cd Downloads
というコマンドになります。 日本語OSだと、手元にないので確認できませんが
cd ダウンロード
になると思います。pwdで現在の位置を確認しましょう。ファイルシステムの階層を一つ下がったことになります。
% pwd
/Users/miura/Downloads
これは、"Users"というフォルダの中の、"miura"というフォルダの中の"Downloads"というフォルダの中が現在地であること(現在地のパス)であることを示しています。
ここからまた元に戻るには、階層を一つ上がるのですが、これには
% cd ..
とピリオド2つで戻ります。再び現在位置のチェックをpwdでしてみます。
% pwd
/Users/miura
さて、ここまでで、現在ターミナルがいる場所(current directoryと英語では言う)を知ったり、その場所に保存さてているファイルのリストの表示、場所の移動、などをやってみましたが、ここからは実際にffmegで処理してみましょう。
たとえば、ImageJで作成したAVI形式のファイルがあったとします。このファイルの名前がtest.aviであるとして以下、解説を行います。
コマンドラインだけでもファイルを移動したりできるのですが、ここでは、ファインダでマウスを使ってファイルを移動することと組み合わせてやってみます。まず、test.aviのファイルを、マウスを使ってダウンロードフォルダに移動(あるいはコピー)してください。test.aviがDownloads(あるいはダウンロード)のフォルダの中にあることをコマンドラインで確認してみましょう。
cd Downloads
あるいは
cd ダウンロード
で、移動します。次に
ls
フォルダ内のファイルを確認してください。test.aviもそこにあるはずです。
確認ができたら、
ffmpeg -i test.avi
というコマンドを打ってみてください。すると、多くの情報が出力されるはずです。わたしの場合だったら、当方でFijiを使って作成したAVIファイルの場合、
% ffmpeg -i test.avi
ffmpeg version 4.4 Copyright (c) 2000-2021 the FFmpeg developers
built with Apple clang version 12.0.5 (clang-1205.0.22.9)
configuration: --prefix=/opt/homebrew/Cellar/ffmpeg/4.4_2 --enable-shared --enable-pthreads --enable-version3 --cc=clang --host-cflags= --host-ldflags= --enable-ffplay --enable-gnutls --enable-gpl --enable-libaom --enable-libbluray --enable-libdav1d --enable-libmp3lame --enable-libopus --enable-librav1e --enable-librubberband --enable-libsnappy --enable-libsrt --enable-libtesseract --enable-libtheora --enable-libvidstab --enable-libvorbis --enable-libvpx --enable-libwebp --enable-libx264 --enable-libx265 --enable-libxml2 --enable-libxvid --enable-lzma --enable-libfontconfig --enable-libfreetype --enable-frei0r --enable-libass --enable-libopencore-amrnb --enable-libopencore-amrwb --enable-libopenjpeg --enable-libspeex --enable-libsoxr --enable-libzmq --enable-libzimg --disable-libjack --disable-indev=jack --enable-avresample --enable-videotoolbox
libavutil 56. 70.100 / 56. 70.100
libavcodec 58.134.100 / 58.134.100
libavformat 58. 76.100 / 58. 76.100
libavdevice 58. 13.100 / 58. 13.100
libavfilter 7.110.100 / 7.110.100
libavresample 4. 0. 0 / 4. 0. 0
libswscale 5. 9.100 / 5. 9.100
libswresample 3. 9.100 / 3. 9.100
libpostproc 55. 9.100 / 55. 9.100
Input #0, avi, from 'test.avi':
Duration: 00:00:14.14, start: 0.000000, bitrate: 1562 kb/s
Stream #0:0: Video: rawvideo, pal8, 160x174, 1574 kb/s, 7 fps, 7 tbr, 7 tbn, 7 tbc
Metadata:
title : ImageJ AVI
At least one output file must be specified
となりました。コマンドffmpeg -i test.aviの解説をすると、<コマンド> <オプション> <オプションにあたえる情報>という半角スペースで区切られた書式になっていて、
- コマンド: ffmpeg
- オプション: -i
- オプションにあたえる情報: test.avi
という構成になっています。ffmpegはいわばアプリです。ffmpegにはさまざまな種類のオプションがあり、それぞれハイフン一つ(-)ないしは2つ(--)で始まる「フラグ」と呼ばれる記号が与えらてています。-iは、入力ファイルを指定するためのフラグで、-i test.aviは、入力ファイルとしてtest.aviを使うことを指示していることになります。
ただ、これだけだと、出力先が指定されていないので、上の出力の最後にあるようにAt least one output file must be specifiedという警告がでています。そこで以下のコマンドに変えてみましょう。
ffmpeg -i test.avi test.mp4
すると、さっきよりも多くの出力があるはずで(割愛します)、なおかつ
open .
で、ダウンロードフォルダを眺めると、test.mp4というファイルが作成されているはずです。このあたらしいmp4形式のファイルは、avi形式のファイルよりも融通が聞くのですが、これもやはりquicktimeでは開くことができません。詳しい解説は省きますが、画素のフォーマットがquicktimeでは使えない形式なのです。このためにはオプションとして画素のフォーマットをyuv420p形式に変換する、-pix_fmt yuv420pを付ける必要があります。つまりコマンドは
ffmpeg -i test.avi -pix_fmt yuv420p test.mp4
となりこれを実行すると
File 'test.mp4' already exists. Overwrite? [y/N] という質問が表示されます。test.mp4を上書きしてもよいか、と聞いているのでyとタイプしてリターンを押すと、変換が実行されます。
このあとで、
open test.mp4
というコマンドを実行してみてください。Quicktimeで動画が表示されるはずです。
私の場合は、せっかくだったら少し動画圧縮をかけるか、ということで、さらにオプション-c:v libx264を追加したコマンドを使いました(ツイッターで)。この場合には
ffmpeg -i test.avi -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p test.mp4
のように、みっつオプションがあることになります。なお、実際の変換されたファイルはファインダ上では
open .
でウィンドウを開いて、探すことができるはずです。
なお、変換後の動画形式が.mp4になっていますが、.movにしてquicktime純正の形式に変えても問題ないはずです。動画のコンテナ形式といって、箱の形がいろいろある、ということで、画素形式とはまた別の設定である、と考えるといいかと思います。
ffmpegの他のオプションは
ffmpeg -h
ないしは
ffmpeg --help
とすると、ヘルプがターミナルに出力されます。ものすごい数なので使いこなすのは難しいのですが、より手の混んだ処理なども可能です。
ゲルのバンド定量
電気泳動のゲルのバンドの定量に関して、ギゴチャンネルで講評したウェブページのリンクを以下にリストします。
ImageJの場合、主に2つのやり方が紹介されており、ROI ManagerにバンドのROIを集めて測定するやり方と(1番目の方法)、レーン全体に関して泳動方向にプロファイルを取得して、ピークの積分を行う方法(2番目)があるわけですが、私は2番目のピークを積分する方法を推奨しています。学生実習とかあったら、2つの方法でどのぐらいの差がでるかとかやったらいいかもしれない。一番目のほうが恣意性が高いので結果はばらつくはずです。
追記: 二番目の方法に関しては、「デジタル細胞生物学」の付録3に詳しい解説を掲載しています。






